プロセスマイニングツールに搭載されているアルゴリズムの働き・種類などを解説しています。
プロセスマイニングツールの役割は、イベントログデータから業務のプロセスを可視化することです。現在のプロセスマイニングツールにはプラスαの機能が搭載されていますが、基本的な役割は変わっていません。一見すると意味をもたないように見えるイベントログから業務プロセスを可視化できる理由は、アルゴリズムを適用してデータを処理しているからです。ちなみに、データマイニングツールはアルゴリズムを基本的に備えていません。アルゴリズムを備えている点は、プロセスマイニングツールの特徴といえるでしょう。
アルゴリズムは、イベントログデータからプロセスの再現方法を決定します。具体的には、イベントログデータから傾向・パターンなどを特定するといえるでしょう。例えば、ケースA~Cで抽出されたイベントログが以下だとします。
ケース名 | タスク(発生順) |
ケースA | 1→2→3→4 |
ケースB | 1→3→2→4 |
ケースC | 1→2→4 |
ケースA~Cの分析結果から、このプロセスは1から始まり4で終わることがわかります。プロセスマイニングツールでは、以上のように全体を説明できるプロセスモデルを作成するのです。
プロセスマイニングツールに利用されているアルゴリズムには、いくつかの種類があります。研究当初に用いられていたのがアルファアルゴリズムです。プロセスを正確に再現できなかった場合、修正を重ねて改良版を制作します。アルゴリズムが異なれば、再現されるプロセスにも違いが生じる可能性があるのが一般的です。
プロセスマイニングツールの主な機能は次の通りです。
プロセスマイニングツールでは、業務プロセスに潜むボトルネックの抽出もできます。例えば、各イベントの処理時間を測定すれば、業務の停滞を引き起こしているプロセスがわかります。各機能をさらに詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
プロセスマイニングツールは、イベントログから業務プロセスを可視化するため、アルゴリズムを備えています。アルゴリズムが異なれば、イベントログが同じだとしても再現される結果には違いが生じる可能性があるという点は、製品を選ぶうえで押さえておきたいポイントです。プロセスマイニングツールについて、さらに理解を深めたい方は以下の記事も参考にしてください。
目的に合ったメーカー・
代理店3社から選ぶ!
抜本的な業務フロー改善
が目的なら
SAPでの業務可視化
が目的なら
業務の自動化
が目的なら
※2022年2月18日時点でGoogleにて「プロセスマイニングツール」で検索し、公式HPのリンクが表示された製品を販売する7社のうち、下記に当てはまるツールを取り扱っている3社を選出しています。
・抜本的な業務フロー改善が目的:網羅的なプロセスマイニングを行えるよう複数のシステムを一括対応できるマルチレベルの機能を持っている企業を選出
・SAPでの業務可視化が目的:SAPとの連携が取りやすく、SAPユーザーにとって利便性の高いプロセスマイニングが行えるよう、ERPメーカーが資本になっている企業を選出
・業務の自動化が目的:RPA導入に際してのサポートが受けやすいよう、RPAの導入実績が一番多い企業を選出