プロセスマイニングツールの導入の理由として、システム移行前の業務フロー整理を挙げる企業が多いのではないでしょうか。
その業務フロー整理を進めるにあたって、一つのネックになっているのが「システムのガラパゴス化」。一つのシステム導入で完結せず、独自のツールやシステムを採用し、IT潮流から取り残され、情報が細切れになってしまっている状態を指します。
それらのガラパゴス化したシステム環境でも、一元的なプロセスマイニングが可能な「マルチレベル」という機能を搭載したツールを扱う、ハートコア株式会社の三宅立悟氏に、ガラパゴス化についてや日本でシステム移行をする際の注意点を聞いてみました。
経歴
・2000年ITセキュリティ製品ソフトバンクグループ:サイバートラスト社認証局事業の立上げメンバー(2021年4月東京証券取引所マザーズ上場)
・2013年大手通信キャリア向けプロフィットサービスAndroid・iPhone端末向け「遠隔安心端末サポート」サービス立上げ、既存のサポート体制に大きな変革をもたらし数百億円の売上を達成。
・現在約3000万人のユーザーが稼働中。その後、BPR、BPO、コールセンター運用など事業変革の経験を活かし、日本社会の大きなテーマである「働き方改革」をキーワードに日々進化するテクノロジーをどのように運用するかを追求している。
・2019年4月よりハートコア株式会社(2022年2月11日米国NASDAQ上場)にて業務プロセス可視化に効果的かつ定量的である「プロセスマイニング分析ツール」を国内初ローンチ。「自動的に業務可視化」を可能とする技術を複数社の日本企業へ導入支援中。
Q.日本では多くの企業が基幹システムを導入しても、スクラッチ開発による自社ツールなどにより「システムのガラパゴス化」へと発展させてしまうことが問題になっているようです。貴社のクライアント様でも、そういった企業様が多いのでしょうか。
A.はい、非常に多いです。日本の基幹システムは、1970年代からほとんどがスクラッチ開発からスタートし個別に業務に併せながらシステム構築する文化が根付きました。
受注、生産、調達、物流、納品、会計といったシステムがバラバラな状態で構築され、成長経済の真っただ中、あまり業務効率化についての議論がされないまま、2025年問題に突入しようとしております。
Q.自社のシステム環境がどのようになっていたら「ガラパゴス化」していると考えてもよろしいでしょうか。「ガラパゴス化」とまではいかなくても、業務フロー改善のためのプロセスマイニングがしづらくなる状況を教えてください。
A.「ガラパゴス化」というより、自社の非効率なプロセスに併せた「独自システム」を運用するケースが多くあります。
スクラッチシステムを構築した時代は「そのシステム」が最高なシステムと当時の担当者が試案し構築したシステムと思われます。しかし、重要なポイントは「イベントログ」と言われるトランザクションのログを保有せず、上書き保存して結果データのみログとして保有している点だと思います。
「そのシステム構成」を把握している人が社員にいない、システムと業務が紐づけられないといった問題が多くございます。当時は「データの制限」「メモリー制限」などがあり、すべてのイベントログを保有する概念自体がなかった時代だと思います。
簡単に申しますと、作業の変更、差戻し、繰り返しなどのログは無視された状態になっているということです。
Q.企業の業務効率化に貢献している貴社の視点から見て、このようなシステムの「ガラパゴス化」や「独自システムの運用」は、どのようなデメリットがあると考えられますか?
A.2025年問題を抱えた日本社会において、システムの「ガラパゴス化」は、「業務プロセスの把握」「業務ボトルネックの把握」「非常事態の対応力」など、「現場の判断力」「経営の判断力」を鈍らせるデメリットは多いと思われます。
特に欧米企業と比較すると「日本の製造業のシステム」はすべて可視化できていない状態であり、作業の変更、差戻し、繰り返し作業のログは保有していない状態はリスクが高いと思われます。
このままでは「日本の製造業」及び「日本経済」は厳しい状態になると懸念しております。
Q.「ガラパゴス化」しているシステムは、システムの整理やシステム移行が必要だと考えられますが、別のシステムに移行をする際の注意するべき点を教えてください。
A.「ガラパゴス化」されたシステムから「新システム」に移行する場合、注意ポイントは下記と言えます。
この2点からまずスタートし現状の状態がどのように運用されているのかを把握することが重要です。
「新システム」を導入するので「旧システム」の把握は必要なしと判断される担当者様が多くございますが、ROIの観点から投資する大きな金額に対して「新システム」を導入後、「何がメリット」であったのか、「現場のクレームの改善ポイントは何か」など必ず問題となりますのでご注意ください。
Q.貴社(ハートコア株式会社)では、ガラパゴス化しているシステム(複数のシステムを導入しているシステム環境)をプロセスマイニングする際、どのような対策をとっていますか?
A.ハートコアでは「ガラパゴス化されたシステム」のログに対し、独自方法でイベントログを生成し、プロセスマイニング分析を行っております。
また「複数に跨るシステムログ」も「データ構造」を把握し、システムログを繋げてプロセスマイニング分析し運用を行っているケースもございます。
今までに「見えていないプロセスやボトルネックの可視化」に成功しております。
ハートコアのツールによるプロセスマイニングの画面
日本企業には、スクラッチによる独自システムが多用されており、文化的にガラパゴス化されたシステムが多いことが分かりました。そういったシステム状況では、業務フローの可視化が難しく、特に製造業では2025年問題の影響を受ける高いリスクを抱えていることが多いようです。
少しでも自社に「ガラパゴス化」「独自システム化」が起きているように感じる企業は、業務効率化やERP導入、RPA導入をするにも、多くの手間や費用がかかってしまう可能性があるので注意しましょう。
心当たりのある企業担当者は、「ガラパゴス化」したシステムでもプロセスマイニングを成功に導く「ハートコア」に相談してみてはいかがでしょうか。
会社名 | ハートコア株式会社 |
---|---|
所在地 | 東京都品川区東五反田1-2-33 白雉子ビル3F |
電話番号 | 03-6409-6966 |
営業時間 | 9:00~18:00 |
定休日 | 土日祝 |
公式HP | https://www.heartcore.co.jp |