プロセスマイニングとは、基幹系のデータや基幹系のログを分析して、会社全体のプロセスを可視化する仕組みです。これに対してタスクマイニングは、従業員一人ひとりのPC操作データを検出し、監視、分析するツールです。両者は混同して語られることが多いものの、それぞれの役割には明確な違いがあります。ここでは、プロセスマイニングツールとタスクマイニングツールの違い、併用のメリット・デメリットをご紹介します。
プロセスマイニングを使うことで、企業のさまざまな業務プロセスの課題点を洗い出すことは可能ですが、それを実際に解決・改善するためには、個人レベルの動きにまでフォーカスし、具体的な対応をとらなくてはなりません。また、Excelなどを使用している会社では、基幹システム側に十分なログデータがないため、しっかりとしたプロセスマイニングを実行することが困難です。
タスクマイニングとプロセスマイニング、2つのツールを合わせてこそ、日本企業の業務の全体像を把握でき、そこに潜む課題を可視化し、効率改善につなげることが可能になるのです。
タスクマイニングツールでは、社員一人ひとりのパソコンの操作履歴を分析するため、「監視されている」「信用されていない」など、反発を受ける場合があります。また、併用することで、ツールにかかるコストは高くなります。 ただし、ヒアリングによって現状分析を行う手間や時間、人件費を削減できること、併用することでより深い調査・分析が行えるメリットは、大きなポイントです。
実際に、自動車メーカーのコールセンターで導入した事例では、問い合わせの初期段階での内容のスクリーニングや、業務標準化・業務効率化の仕組みを構築し、顧客満足度と運用ROIの最大化を目指したところ、問い合わせ一案件あたりの対応コスト約3000円減、解約率を5%低減するなど、大きな成果を挙げています。
導入や併用を検討する際には、目先のコストや従業員の反発に囚われず、長い目で見て判断することが必要です。
プロセスマイニングとタスクマイニングは、それぞれ異なる役割を持っているツールですが、補完関係にあり、組み合わせることで相乗効果を期待することができます。ツールベンダーの中には、両ツールを販売していたり、プランとしてタスクマイニングを提供していたりする会社もあるので、プロセスマイニング導入を検討する際は、ぜひチェックしてみて下さい。
こちらのページでは、両ツールを提供している会社が出しているプロセスマイニングツールも紹介しています。
目的に合ったメーカー・
代理店3社から選ぶ!
抜本的な業務フロー改善
が目的なら
SAPでの業務可視化
が目的なら
業務の自動化
が目的なら
※2022年2月18日時点でGoogleにて「プロセスマイニングツール」で検索し、公式HPのリンクが表示された製品を販売する7社のうち、下記に当てはまるツールを取り扱っている3社を選出しています。
・抜本的な業務フロー改善が目的:網羅的なプロセスマイニングを行えるよう複数のシステムを一括対応できるマルチレベルの機能を持っている企業を選出
・SAPでの業務可視化が目的:SAPとの連携が取りやすく、SAPユーザーにとって利便性の高いプロセスマイニングが行えるよう、ERPメーカーが資本になっている企業を選出
・業務の自動化が目的:RPA導入に際してのサポートが受けやすいよう、RPAの導入実績が一番多い企業を選出